溶食形態のいろいろ

壁面のノッチ
ポケット
フレアチィックペンダント
 洞窟には石灰岩が溶けてできる,いろいろな形をした溶食形態が残ります。水の全くない洞窟にも溶食形態が残っています。溶食形態にはいろいろなものがあり、形態からむかしの水流の存在した時代の様子を知ることが出来ます。
 ノッチはかつてそこが河川の川底であった事を示します。また、スカラップは強く水流が流れたことをしめし、その角度などから水流の速さを知ることが出来ます。天井のフレアチィックペンダントは天井までゆったりと流れる水流があったことを示します。ポケットも天井まで浸かっていた時代の水流が図のように流れ形成されました。
 溶食形態には水中で出来る飽和水帯起源と水面の上で出来る循環水帯起源のものと、水面付近の準飽和水帯起源のものとに三分されます。特に水中と水面付近で出来るものが重要で、洞窟の発達史を調べる上で、貴重です。
 100mもの高低差のある洞窟にも、上から下まで、飽和水帯の形態があり、とても不思議な現象です。しかし、最近の研究では、大昔洞窟のよく発達していない時代には、水の詰まった高低差の大きい洞窟が成長した時代があったことが分かり、うまく説明する事が出来るようになりました。現在ある洞窟は、100万年前ごろから溶け始める環境ができて、一斉に形成されるようになったと考えられています。
 特に秋芳洞のような貫通洞は、たいへん長い間成長を続け、大きくなり、全体の溶食環境を変えていったと考えられています。
スカラップ
ポケットの出来方と場所
溶食管
図はノッチの出来方と形成場所