睦 月


初暦知らぬ月日は美しく 吉屋信子


元旦 …… 1月1日

正月は盆と並んで年中行事で最も大切なものである。
元旦は「三元の日」とも呼ばれる。年と月と日に関する三つの元が揃うからだ。
元は、始まりの意味である。今年は新世紀の始まりで「四元」の元旦である。

日本独自の初めの行事

年月の流れとともに、正月の行事が次第に簡素化されてきているが、江戸時代の頃は12月13日のすす払いに始まり、1月14日のとんど焼きまでの1か月間が正月の行事であった。
また1月15日の小正月も元旦と同じくらい重要な神祭りの日であった。
12月13日のすす払い、23日頃松飾り、25日頃餅つき、大晦日には年越しのご馳走を作り、年越しそばを食べる。元旦には家の主人(あるじ)が朝一番に水を汲む若水汲みをし、お屠蘇を飲んだ後、初詣をする。2日、3日は年始回り、7日に7草がゆ、11日鏡開き、14日とんど焼きで正月行事が終了する。

初詣
正月の松の内までに参る。もとは氏神さまにお参りしたが、最近は有名な明治神宮や伊勢神宮に参る人が多い。

消防出初式
江戸時代には「いろは」など48組に分けられた町火消しが背中に「あ組」「い組」と染め抜いた印ばんてんを着て、はしご乗りの妙技と華を競った。 町火消しの制度は、大岡越前守が決めたといわれている。
現在の消防の出初式は1月6日に、はしご乗りとともに近代的な消防演習が行われる。

初荷
商店が新年になって商品を初めて出荷することを初荷をいう。
トラックに 初荷と染めた旗や幟を立てて、取引先へ荷を届ける。

初商い
新年になって初めて店を開き、商いをすること。商店も景気づけのため福袋などを出し、大盤振る舞いをする。開店前にデパートの前に長蛇な列が出来るのも、正月の風物詩の一つである。

書き初め
新年の抱負等を正月2日に書く事を書き初めというが、書道で小学生達が体育館などの大会場で一斉に腕を競う。

仕事始め
官庁では「御用始め」という。会社などでは年頭の挨拶の後、取引先に挨拶まわりをする。

鍬始め
農家の仕事始めは正月11日で、この日はご馳走を食べその年の豊作を祈願する。

歌会始の儀
新春恒例の宮中行事。今年は14日、皇居・宮殿「松の間」で行われた。
平安時代から催されていたが毎年行われるようになったのは明治2年からで、前もって発表される「お題」にそったテーマを詠んだものであれば、誰でも応募できる。
今年のお題は「火」。天皇陛下に招かれた召人は文芸評論家の武川忠一さん(90)、選者の歌と応募作2万3346首から選ばれた10首が古式ゆかしい発声と節回しで朗詠された。

天皇陛下の御製  
木漏れ日の光を受けて落ち葉敷く小道の真中(まなか)草青みたり

皇后陛下の御歌  
君とゆく道の果たての遠白(とほしろ)く夕暮れてなほ光あるらし

来年のお題は「葉」で、「若葉(わかば)」「落葉(らくえふ)」「葉緑素(えふりよくそ)」のように「葉」の文字の入った熟語を使用しても差し支えない。

初釜
正月になって最初に行われる茶の湯の行事で、床の間飾りには、2メートル以上の長さの結び柳と椿を飾る。


七草の行事(人日の節句) …… 1月7日

七草粥
正月7日の朝は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケザ、スズナ、スズシロの7種類の春の草をいれたかゆを食べる。
この七草粥の行事は、813年に嵯峨天皇に若菜の御膳を奉ったのが始まりといわれ、宮中の行事としていたのが、江戸時代に公式の節句として定められた。

七草祭り
正月7日の朝に、神前に七草のかゆを供えて、その年の豊作を祈る行事が各地で行われる。
伊勢神宮では、若菜のかゆを内宮、外宮に供える。


寒の行事

小寒
1月5,6日頃  二十四節気の一つで、冬至から数えて15日目。この日から寒に入り、寒さも本格的になる。

大寒
小寒に続く15日間を大寒という。大寒の終わりを「寒明け」という。

寒餅
寒の期間中につく餅は、寒の気温や水質が餅に適しているので、味も良く保存もきく。

寒稽古
武道、音曲など日本の伝統的文化は、一年中で一番厳しい条件のこの期間に、芸や心身を鍛える。

寒肥
寒の時期は、植物が休眠しているため、根を傷めても害が少ないので、油かすや堆肥を植物の根本から30センチ位離して埋める。

寒行
寒の30日間、滝に打たれ、神仏に祈る寒ごりや、白衣だけで参詣する寒参りなどがある。


正月の後始末

門松やしめ飾りの後始末
門松やしめ飾りは、松の内の最後の日の7日か、小正月の15日にはずす。 

鏡開き
床の間に飾った鏡餅を正月11日に下ろし、汁粉か雑煮にする。餅は包丁で切らずに、手でむしるか金づちで割る。

どんど焼き
14日の夜か、15日の朝、神社や寺院の境内で、前年のお札や取り外した門松やしめ飾り、書き初めを燃やす行事。左義長ともいう。
もともと盆と同じように祖先の霊を送り迎えするのが火祭りの始まりで、煙に乗って正月の歳神様が天に帰る。


成人の日 …… 第2月曜日

昭和23年に、満20歳になった男女を祝うため国民の祝日と制定された。
民法第3条には「満20年ヲ以テ成人トス」と定められ、選挙権が与えられ、独立した社会人としての地位が与えられる。親子関係においても親権は終了する。

平成22年度は推計で約127万人の新成人が誕生したが昨年度に比べて約6万人減少した。これまで最も少なかった昭和62年の記録を破って過去最少となった。新成人人口は平成7年以後はほぼ一貫して減少を続け、40年前の新成人の約半分。祝日法の改正で1月の第2月曜日が「成人の日」と決まり、土曜、日曜と合わせて3連休でハッピーマンデーといわれている。


小正月 …… 1月15日

1月1日を中心とする正月を大正月、15日を中心とする正月を小正月という。
農村では農耕行事を中心に据えた小正月のほうを盛大に祝うところもある。
秋田県男鹿半島の「ナマハゲ」は有名である。


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