歌会始の御製・御歌


年度お題御製・御歌
平成22年
天皇陛下御製
木漏れ日の光を受けて落ち葉敷く小道の真中(まなか)草青みたり
皇后陛下御歌
君とゆく道の果たての遠白(とほしろ)く夕暮れてなほ光あるらし
平成21年
天皇陛下御製
生きものの織りなして生くる様(さま)見つつ皇居に住みて十五年経(へ)ぬ
皇后陛下御歌
生命(いのち)あるもののかなしさ早春の光のなかに揺り蚊(ユスリカ)の舞ふ
平成20年
天皇陛下御製
炬火台に火は燃え盛り彼方なる林は秋の色を帯び初む
皇后陛下御歌
灯火(ひ)を振れば彼方の明かり共に揺れ旅行(ゆ)くひと日夜(よる)に入りゆく
平成19年
天皇陛下御製
務め終へ歩み速めて帰るみち月の光は白く照らせり
皇后陛下御歌
年ごとに月の在(あ)りどを確かむる歳旦祭(さいたんさい)に君を送りて
平成18年
笑み
天皇陛下御製
トロンハイムの運河を行けば家々の窓より人ら笑みて手を振る
皇后陛下御歌
笑み交(か)はしやがて涙のわきいづる復興なりし街を行きつつ
平成17年
歩み
天皇陛下御製
戦(いくさ)なき世を歩みきて思ひ出づかの難(かた)き日を生きし人々
皇后陛下御歌
風通ふあしたの小径(こみち)歩みゆく癒えざるも君清(すが)しくまして
平成16年
天皇陛下御製
人々の幸願ひつつ国の内めぐりきたりて十五年経つ
皇后陛下御歌
幸(さき)くませ真幸(まさき)くませと人びとの声渡りゆく御幸(みゆき)の町に
平成15年
天皇陛下御製
我が国の旅重ねきて思ふかな年経る毎に町はととのふ
皇后陛下御歌
ひと時の幸(さち)分かつがに人びとの佇(たたず)むゆふべ町に花ふる
平成14年
天皇陛下御製
園児らとたいさんぼくを植ゑにけり地震(なゐ)ゆりし島の春ふかみつつ
皇后陛下御歌
光返(かへ)すもの悉(ことごと)くひかりつつ早春の日こそ輝かしけれ
平成13年
天皇陛下御製
父母の愛(め)でましし花思ひつつ我妹(わぎも)と那須の草原(くさはら)を行く
皇后陛下御歌
この日より任務おびたる若き衛士(ゑじ)の立てる御苑(みその)に新草(にひくさ)萌ゆる
平成12年
天皇陛下御製
大いなる世界の動き始まりぬ父君のあと継ぎし時しも
皇后陛下御歌
癒(い)えし日を新生(しんせい)となし生くる友に時よ穏(おだ)しく流れゆけかし
平成11年
天皇陛下御製
公害に耐へ来しもみの青葉茂りさやけき空にいよよのびゆく
皇后陛下御歌
雪原(せつげん)にはた氷上にきはまりし青年の力愛(かな)しかりけり
平成10年
天皇陛下御製
大学の来(こ)しかた示す展示見つつ国開(ひら)けこし道を思ひぬ
皇后陛下御歌
移民きみら辿(たど)りきたりし遠き道にイペーの花はいくたび咲きし
平成9年
姿
天皇陛下御製
うち続く田は豊かなる緑にて実る稲穂の姿うれしき
皇后陛下御歌
生命(いのち)おび真闇(まやみ)に浮きて青かりしと地球の姿見し人還(かへ)る
平成8年
天皇陛下御製
山荒れし戦(いくさ)の後(のち)の年々(としどし)に苗木植ゑこし人のしのばる
皇后陛下御歌
日本列島田ごとの早苗そよぐらむ今日わが君も御田(みた)にいでます
平成7年
天皇陛下御製
人々の過しし様を思ひつつ歌の調べの流るるを聞く
皇后陛下御歌
移り住む国の民とし老いたまふ君らが歌ふさくらさくらと
平成6年
天皇陛下御製
波立たぬ世を願ひつつ新しき年の始めを迎へ祝はむ
皇后陛下御歌
波なぎしこの平(たひ)らぎの礎(いしずゑ)と君らしづもる若夏(うりずん)の島
平成5年
天皇陛下御製
外国の旅より帰る日の本の空赤くして富士の峯立つ
皇后陛下御歌
とつくにの旅いまし果て夕映(は)ゆるふるさとの空に向ひてかへる
平成4年
天皇陛下御製
白樺の堅きつぼみのそよ風に揺るるを見つつ新年(にひどし)思ふ
皇后陛下御歌
葉かげなる天蚕(てんさん)はふかく眠りゐて櫟(くぬぎ)のこずゑ風渡りゆく
平成3年
天皇陛下御製
いにしへの人も守り来し日の本の森の栄えを共に願はむ
皇后陛下御歌
いつの日か森とはなりて陵(みささぎ)を守らむ木木かこの武蔵野に
平成2年
昭和天皇を偲ぶ歌会
昭和天皇御製
空晴れてふりさけみれば那須岳はさやけくそびゆ原のうへ
天皇陛下御製
父君を見舞ひて出づる晴れし日の宮居の道にもみぢばは照る
皇后陛下御歌
かすみつつ晴れたる瀬戸の島々をむすびて遠く橋かかりたり
平成元年
中止